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都会と地方の比較

同じ看護師の仕事といっても、都会と地方では看護師を取り巻く労働環境や生活環境は大きく異なります。都会では最先端の医療に触れる機会も多く、意欲を持って勉強しようという看護師にはうってつけの場所です。一方で地方の病院では患者の多くが高齢者で、慢性病の治療やリハビリといった仕事がメインになってしまっていて若い看護師にとってあまり魅力的な環境だとは言えないようです。

生活面においても都会の方が通勤面などでも何かと便利で看護師のように働く女性には助けになることも事実です。都会の生活環境は娯楽も多く、充実しているので看護師が仕事と休日のオン・オフの切り替えをはっきりさせることも簡単にできます。他にも、託児施設や保育園なども利用しやすいので子供を育てながら看護の仕事を続けやすいという利点もあります。逆に地方の生活は通勤が不便だったり、生活の範囲が限られるために休日でも職場で会う人と顔を合わせるようなことも珍しくありません。そういった田舎的な密な関係が苦手な人には難しい環境かもしれません。

さて、ここからはいくつかポイントを絞って都会と地方での看護師の労働環境の違いを見たいと思います。

<病院の規模と数の違い>

都道府県別に見ると、それぞれで病院の総数が違うだけでなく、特に300床以上の大規模な病院の数に顕著な違いがあることが分かります。東京や大阪、愛知といった都市圏には大病院が集中していて、秋田県や福井県といった地方の県ほど大病院の数が少なくなっています。最も多い東京都、大阪府では大規模病院の数が100以上あるのに対して、最も少ない福井、山梨、鳥取県では大病院は10にも満たない状態です。
都市部の大病院には最新の高度な医療設備が備えられていて、先進医療に特化した専門医や先進医療の技術を身につけた看護師も多くいます。やる気のある若い看護師にとっては選択肢も多く、さらなる勉強やキャリアアップにも適した環境と言えます。一方で地方の病院には都会のような最新医療はないにしても、規模が小さい分お互いに顔の見える環境で仕事ができるという利点もあります。

<認定看護師の数>

看護師の中でも、専門的な分野で高度な技能を持つことが認められた認定看護師の数を比較してもやはり都会では多く、地方に行くほど少ないという状態です。認定看護師は都会の大病院に多い専門性の高い病棟に勤務することが多いため当然の事だとも思えますが、実際には地方の看護師が認定看護師になろうとしても職場の人手不足などからそのための研修や教育を受けにくいという現状も存在します。

<地方の病院が抱える問題点>

地方の病院には主に慢性疾患の患者やリハビリを行う高齢者が多く来院してくるので都会のような最新鋭の医療機器などはあまり見られません。医師もそういった患者の対応をするために通っている非常勤も多く、医師の交代も頻繁に行われています。
現在では、地方でガンなどの専門的な治療が必要な場合には都会の大病院まで行って治療を受けることが普通になっていて、ますます都会の病院と地方の病院の医療格差が広がっています。
他にも、地方の病院では看護師の高齢化が問題になっています。若い看護師にとっては魅力がない地方の病院には新卒など若い人が集まらず、人手不足を定年退職者の再雇用で補うこともある状況です。特に田舎の病院では医師も看護師も高齢化し、夜勤などの大変な部分が数少ない若手看護師にしわ寄せされています。すでに末期的な状態にある地方の病院をこのままにしておいては地方の医療は壊滅しかねないのです。

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